「おつかれさまでーす。お先失礼しまーす。」
「ふぅ~。今日も一日働いたモゥ~。」
「あぁ……。どっこいしょ。」
「クリスマスだべや。……肉は、やっぱチキンだべや。」
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「やぁ。シチメン鳥だよ。いま、私を食べようとしたね?」
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「い、いやべつに……、あんたを食べる気はないべや……。」
「おれ、金が無いんだ。泊めてくれないかね?」
(なんて図々しいやつだ……。)
「よし、じゃあ早速、パーティーの材料を買いに行こうね。」
「なんで、パーティーすんだべ。」
「まぁまぁ。よしじゅあ、おっぱじめようね。」
「……。着いたっぺよ。俺んちだべ。」
「だ、誰かいる……。」
「な、なぜだ!!!!!!!」
「遅いわよ!! 牛!! もう、すき焼き無くなったわよ!!」
「人ん家で勝手に鍋パーティーしておいて、しかもすき焼きだっぺか!!!!!!!」
「……野菜が一番だっぺ。」
「同感……、同感!!」
「ぼくも野菜が好き。」
「いやぁ。もう正月だねぇ。」
「いや、その前にクリスマスだべ。」
「クリスマスなんて大嫌いだね。」
「そりゃそうか……。おたくも大変だべ。」
「……。」
「はい。カフェオレだべ。」
「しぼりたてだね。」
「正月は楽しみがいっぱいだね。羽子板、かるた、お年玉、除夜の鐘!!」
「だまれ!! だまれ!!×9」
「……ご、ごめんなさい。」
「なんでそんなに怒るんだべ? シチメン鳥さん。」
「正月は、もっと大事なことがあるんだね。」
「なぁに?」
「初夢だね、初夢だね。」
「初夢にどんな夢を見たかによって、その年の運気が占えるんだね。」
「へぇー。」
「ぐりりん君、一富士、二鷹、三茄子(ふじ、たか、なすび)、って聞いたことあるかっぺ?」
「うーん……、わからないや。」
「富士山と、鷹と、茄子は、初夢に見ると縁起が良いものなんだね。」
「へぇー。そうなんだー。」
「じゃあ、なぜこの3つが、縁起が良いとされるようになったんだと思うね?」
「そういえばわかんねぇな。」
「徳川家康の時代から言われ始めたもので、“高いもの”順らしいのだね。」
「鷹は、完全に語呂合わせ。茄子は初物の値段が高かったんだね。」
「じゃ、このつづきは、知ってるかい?」
「しらないべ。」
「四扇、五多波姑、六座頭(おうぎ、たばこ、ざとう)なんだね。」
「座頭っていうのは、盲目の琵琶法師のことを指す江戸時代の言葉だね。」
「へぇ。じゃあつまり、富士山や鷹の夢を見ればいいんだね。」
「やぁ、鷹だよ。そうだ、私の夢を見なさい。」
「・・・・・・?」
「なんだよ。今日は鳥臭い……。」
「やぁ、なすびだよ。今日は呼んでくれてありがとう。」
「呼んでないべよ。」
「ぐりりん逃げるっぺよ。」
「せっせっせっせ……。」
「な……。」
「やぁ。富士だよ。今日はごちそうさま。」
「人ん家で、勝手に食い散らかしやがっぺ!!」
「みんな出ていけっぺーーーー!!!!!!!」
「ふぅー……。」
「モォー、縁起が良いどころか災難でねぇか。」
「モォー、寝るっぺよ。」
ぐぅーー…… ぐぅーー……
ぐぅーー…… ぐぅーー……
………………
♪「チッチッチキチ、チッチッチー……」
………………
♪「チッチキチキチ、チッチッチー、イェイ!!」
「チッチキチキチ、チッチッチー、初夢について教えてあげるよ♪」
「チッチキチキチ、チッチッチー、初夢という文化は、中国から伝わったものなんだね♪」
「チッチキチキチ、チッチッチー、中国には夢を食う、獏(バクー)という架空の動物がいるんだねー♪」
「やぁ。バクーだよ。さぁ、おやすみおやすみ。嫌な夢は僕がバクバク食べてあげるよ。」
「チッチキチキチ、チッチッチー、この獏にあやかって獏の絵を枕の下に入れて、眠ってたんだね。」
「チッチキチキチ、チッチッチー、そして日本では室町時代から、縁起の良い七福神の宝船の絵になったんだね」
(七福神……。どうかこの状況から俺を救ってくれっぺ!!)
「さぁ、そしてここからが大切だね。
見たい夢を見るには、『夢をイメージすること』と……」
「
『リラックスして寝ること』がポイントなんだね。」
(いやぁ……、頼むからリラックスさせてくれ……。)
「やぁ。鷹だよ。」
「また来た……。」
「寝る前にリラックスした状態で、見たい夢をイメージしておくと、脳の前頭葉に記憶されるのさ。」
「その状態で眠りにつくと、脳の海馬の記憶と合わさって夢ができあがるのだよ。」
(かいば??)
「やぁ。海馬だよ。呼んだかい??」
(もう……。何がなんだか……、わからない……。)
「海馬とはね、脳の大脳辺縁系の一部で、記憶や学習能力に関わる器官だよ。」
(モゥどうだっていい……。)
「リラックスした状態をつくるためにも、お酒の飲み過ぎはダメな~す。
「アルコールは寝つきを良くしてくれるけど、しばらくすると浅い眠りになって、夢を見にくくなってしまうな~す。 」
「睡眠前や、睡眠中の心身のコンディションは、睡眠の質を左右するのね。
」
「ほかにも、ご馳走を食べ過ぎると、消化のため胃腸が休めず、睡眠の質が低下するのだね。」
「あ。寝たね。」
「ぐぅーー…… ぐぅーー……」
「やぁ。富士だよ。最後に朝目覚めるタイミングについて。」
「睡眠には周期があってですね。睡眠の1周期は90分です。つまり1時間半。」
「たとえば6時間、7時間半、9時間くらい眠って、自然に目覚めると、夢を思い出しやすくなるんだってぇー。」
「ずいぶんと、羽根が抜けたよ……。」
「家帰って、羽根のばそ―っと……。」
「ぐぅーー…… ぐぅーー……」
「……。あ……。富士山だ……。」
おわり。
来週も見てね。