

「さぁ。『風の神とこども』はどうだったかな~。」
「わーい。わーい。」
「おもしろかったかなぁ~。」

「わーい。わーい。」
「わーいしか言われへんのかいな!!」

先週・今週のみらい研究所は、秋のはじまりということで、秋にまつわる日本昔話を、豪華キャストを招いてご紹介いたします。
前回のおはなしは、『風の神とこども』でした。いかがでしたか?
今回のおはなしは、『さるかにがっせん』です。

「それでは、はじまりはじまり…。」
猿かに合戦


むかしむかし、あるところに……
こころのやさしい一匹の かに が暮らしていました。

「今日も花たちは元気だ。ホントに良かった。」

そこに、息子の かに が帰ってきました……。
「一平!! 今までどこをほっつき歩いてたんだい。」
「はぁ?? るせぇな!! クラブだよ、クラブ!!」
「な……、んだと!? クラブ!?」

「そういう堅いところが、親父はダメなんだよ!!」
「堅いって、 かに だから仕方ないじゃないか!!」
「じゃあな!!」

「待て!! どこへ行く!!」
「クラブだよ!! もうこんな家はうんざりだ!!」

「……。」

「やはり、すこし気にし過ぎだろうか。」

「自由にさせてやりたい一方で、どうしても息子の将来が気になってしまう……。こういうときに、父親にしてやれることは、一体何なのだろうか。」

??? 「そのおにぎり、俺の柿の種と交換しないか?」
「ん???」

「そのおにぎり、俺の柿の種と交換しないか?」
「柿の種??」
「これを、土に埋めて育てれば、きっと木がなって柿がいっぱい食えるぞ。」

「柿の木ですか。楽しそうですね。いいですよ。」
「キキキ、しめしめ……。」
かに は おにぎりと交換した柿の種を土に埋めて、大切に育てました。

「さぁさ。大きくなっておくれよ。」
そして、季節はめぐり、秋になりました。

「おお。これは立派になったなぁ。

「一平も、今頃立派になっているんだろうか……。どこで何をしてるんだろうな……。」

そこへ、あの猿が再び現れました。
「キキキ。柿がいっぱいだな!! どうだい? 俺は木登りが得意だから、あの柿を取ってきてやるよ。」
「おお、助かるよ。ありがとうね。」
猿は、得意げに木の上に登りました。
ところが……

猿は、かに に柿を取ってあげるどころか、たくさんあった柿をほとんど食べてしまいました……。

「なにやってるんだい。 はなしがちがうじゃないか?」
大切に育ててきた柿を食べられてしまい、これには思わず、かにも腹を立ててしまいました。

「うるさいキー!!」
「ぐはっ!!」
すると猿は、渋くて青い柿を かに に向かって投げつけたのです。

かに は重傷を負って寝込んでしまいました。
そして、とうとう……

「おやじ!!!!」

「おやじーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

それは、あまりに突然のできごとでした……。

「おやじ……。早すぎるだろ……。そういうところがダメなんだよ!!」

「……。」

「けんかが、最後なんてなぁ……。」

「ごめんな……。おやじ。」

「ぶんぶんぶん…。あ、かに が、あからさまにへこんでる。なぐさめてあげよう。」
かにの息子が悲しみに暮れていると、偶然、はちが通りかかりました。

「……。面と向かって、謝りたかったな。」

「……。」
「ボーントゥビ―ワイルド!! ワイルドに行こうぜ!!」
「……。」
「ちなみに、”ビー”は蜂とかけたわけじゃないわよ。

一平は、一連のできごとを、蜂のはちろーに打ち明けました。
「それは、ひどい話だ。」
「俺は……猿が許せない。」

「おやじ、仇をとってやるからな!!!!」

「うー、寒い、寒い。早くいろりにあたろう……。

「な、なんだこの不穏な空気は……。ま、いいや。」
さるが、冷えた手を冷やそうと、いろりにあたろうとしたその時!!

「びゅーーーーーーーん。だいちゃんだよーー!!」
あっつあつに焼けた栗が、さる目がけて飛び出しました!!

「あっちー!! ……誰だよ!!だいちゃんて!!」
さるが痛がっている背後から、今度は……、

「FxxK!! FxxK!! FxxK!! FxxK!! FxxK!! FxxK!!」
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い……。」
蜂が、執拗にさるを刺しました。

さるは、たまらず家の外へ逃げ出しました……。

しかし、待ち伏せしていた臼(うす)の下敷きになりました。

「おい。もう悪さはしねぇか!!」
「は、……はい!!」
そして、まるで自分に言い聞かせるかのように、
かにの息子は、こう続けました……。
「だったら、これからは、みんなにやさしく生きるんだ。わかったな。」
「はい。わかりました。」

こうして、かにの息子の仇打ちはおわりました。
さるも、心を入れ替え、いたずらはしなくなり、動物たちと仲良くなりました。

めでたし、めでたし……

「……。おやじ、さるはみんなと仲良くやってるぜ……。
俺も、これからは人にやさしく生きてみっかな。」

「まぁ。一番恩返ししたい人は、……もういねぇけどな。」

???「それは誰のことだい??」

「おやじ??」

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